僕の仕事は、新築マンションやテナントビルなどの外壁にある目地や窓周りにシーリング材を充填して漏水を防ぐ『シーリング防水工事』を生業としています。
今回は、僕の仕事や仕上げ業者全般にとって、とても大事な『拠点(サイト)』のお話しをします。
拠点(サイト)ってキャンプ界隈だけで使われる言葉なのかも知れないけれど、実は僕ら現場人間(ガテンマン)も毎日関わる事案なのです。
ちなみに僕はまだ一度もキャンプの経験はありませんけど。笑。
仕上げ業者にとっての『ネタ場』の確保
仕事がら、現場内では道具を置いたり缶に入った材料(シーリング剤)を攪拌(かくはん)したりする『ネタ場』と呼ばれる場所が必要になります。

ネタ場と作業場は離れているので、機械で自動で撹拌された材料を作業の進み具合や出来上がりの時間を見てその都度取りに行く手間があるんですけど、とにかくネタ場がないと仕事にならないと言っても過言ではありません。
せめて畳一枚分のスペースは欲しいところですが、乱雑な現場や狭い現場では贅沢は言ってられないのが現状です。
僕らシール屋(仕上げ業者全般に言えることだけど)は、現場に乗り込むとまずはネタ場の場所を確保して道具や材料を適正に配置するところから仕事が始まるのです。

常駐できるような大きくて工期のある現場は別にして、小規模の現場を複数件掛け持ちでやってると週に3〜4回は新規でネタ場を作らなくてはならない場面が多々あります。
現場を空けてる間に置いていた道具や材料を勝手に移動されていたり、そもそも置いておくことができずに持ち帰ったりするので。

僕らにとってネタ場とは『拠点(サイト)』であり、朝一番にネタ場を確保→道具や材料を設置→作業終了と同時に片付けて完全撤収!っていう、いわば【毎日キャンプしてるようなもの】なんです。笑。
次からは僕なりのネタ場設置のやり方を説明します。
ネタ場設置のルーティン

ここ一年はバイク移動がほとんどなのですが、極力道具は積んでいくようにしています。
写真の状態で積載量は約145Lとなります。

まずは道具の入ったボックスを降ろして、現場内へ手運びします。
さぁーここから一日が始まります。
電源の確保
他業者の邪魔にならず、動線(作業通路)ではなく、一度設置したら動かす必要のないベストポジションを見つけます。

監督に置いていい場所を打ち合わせるのも大事ですが、大抵トンチンカンな場所を指示されるので理由をいって適正な場所を探します。
いい場所が見つかったら、ボックスを仮置きしてコンセントや仮設の電源を確保します。

電源は、攪拌機やその他電気が必要な道具に必要です。

僕の場合、攪拌機の他にはエネループの充電・iPhoneのライトニングケーブル・イヤホン用のUSB-Cケーブルの3口必要になります。
道具や材料を使い易く置く

僕はネタ場を何個かのゾーンに分けるようにしてます。
- 攪拌機ゾーン
- 材料を置くゾーン
- 道具を置くゾーン
- 汚れものを洗うゾーン
- ゴミを置くゾーン
少なくとも5つのゾーンに分けて、その中でもさらに細分化して『意味のある置き方』を配慮してます。
乱雑にしてると必要なものがどこにあるか分からなくて、作業効率が悪くなりますからね💦。
あとは『使ったものは必ず元の場所に戻す』というのを多少面倒でも徹底してます。
道具ボックスの中も整理整頓大事

バイク通勤になってからさらにコンパクトにまとめる癖がつきました。
仕事で必要なヘラを使う頻度によって3つの小箱に分類したり、道具の向きによってスペースが生まれそこに小さな道具を詰めたり。
車通勤のときはもっとたくさんの道具を使っていましたが、バイク通勤になってかなり減らしました。笑。
ちなみに、もうひとつの大きなボックスには攪拌機を収納しています。

シール屋の道具の中でも一番重たい道具(12kgぐらい)なので、バイクに積むときは腰がやられそうになります😅。
散らかりは最小限にとどめる
作業中はどうしても散らかりやすくなるけど最小限にとどめて、休憩のときやお昼休みのときになんとなく片付けるようにしてます。
出来るだけネタ場は綺麗な状態のまま仕事したいですしね。
整理整頓されてると撤収も早い
次の日別の現場に行く予定があると、朝広げたネタ場を夕方には何事もなかったようにまっさらな状態にして撤収する必要も出てきます。
手が空いたときにその都度片付けてたりすると、その分撤収作業も簡単に済んでパパッと帰り支度が出来るというわけです。
仕事が終わったらさっさと帰るのが僕のモットーなので。笑。
まとめ
要約すると、キャンプしたことないけど毎日キャンプしてるような気分てことです。笑。
現場によってネタ場=拠点(サイト)の規模も違うし、置き方も変わってくる。
でも使いやすい置き方っていうのはあるので、スペースが確保できなくても限りなくそれに近いカタチにはしたいなといつも思ってます。
一番タチが悪いのは、うちのネタ場に後から来た業者が道具やモノを置いてく不届者たちですね。
とか、別の方にもスペースあるのにわざわざこっちに寄せてくるやつとか。。
マジで意味がわからない😅。
ネタ場に対する考え方は職人それぞれにあるので一概には言えませんけれど、相対的に見て仕事の質にも直結する事案だと思ってます。
あと、整然としたネタ場は監督やお客さんの印象も変わってくると思います。
キャンプ場でも散らかし放題のサイトよりも、キャンプグッズが適材適所(意味のある置き方)に並べられたサイトの方が見てて気持ちいいですもんね^^。
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