K大学推理小説研究会(ミステリ研究会)、通称「ミス研」のメンバー7人が、九州の孤島角島(つのじま)にある十角形の奇妙な館「十角館」で1週間の合宿生活をすることになった。
角島では過去に十角館の持ち主である中村青司なる建築家が、自身の住居「青屋敷」にて、妻・使用人夫婦・庭師を殺害し火を放ち自らも命を断つという凄惨な事件があった。
あるミス研メンバーの叔父にあたる人物が持ち主のいなくなった十角館を買取ることになり、興味のわいたメンバーたちは過去に殺人事件があった島にある十角館に滞在すれば自身の創作意欲が湧くと考え、6人(1人はすでに滞在している)船で向かうことにした。
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ミステリ作家綾辻行人さん原作、27歳のデビュー作にして最高傑作と絶賛された「十角館の殺人』が、トリックの構成上映像化不可能といわれつつも37年の時を経て2024年3月22日についにHulu限定配信されました。
十角館の殺人はご覧になりましたか?
原作小説の前評判は知っていましたが残念ながらご縁がなくて今回はじめて綾辻作品に触れることができました。
配信開始から1ヶ月経ったつい先日観たんですが、続きが気になりすぎて一気見しちゃいましたよ。
物語はミス研のメンバー6人が船で角島に向かうシーンからはじまるのですが、角島の島パートと陸パート2つの物語で展開されます。
島パートではミス研メンバー7人(現地で1名合流)を中心に、奇妙な形の館でメンバーが次々と殺されていく事件性の強いパートとなっていて、陸パートでは元ミス研の大学生江南(かわみなみ)・通称「コナン」と、偶然バディとなった「島田」なる暇を持て余すおじさんがある手紙を元に物語が進んでいく推理メインのパートになってます。
それぞれのパートが交互に展開されていき、やがては過去にミス研内で起きた哀しい事件に結びつくという全体像です。
序盤こそ主要登場人物の多さに面喰らいましたが、それぞれ個性の強いキャラクターなので自然と物語に没頭できました。
島パートのメンバーは孤島での事件に警察や本土への連絡手段がなく(舞台は1980年代なのでスマホなんてない!)、船の迎えは一週間後という状況の中でそれぞれのキャラクター性を活かし犯人を推理していく展開が終始繰り広げられます。
陸パートの凸凹コンビは「ある手紙」を手に、過去に角島で起きた事件や犯人とされた中村青司の身内に焦点を絞り、途中で江南(かわみなみ)の同級生で同じく元ミス研だった守須(もりす)を安楽椅子探偵と見立てて推理していきます。
いやー、映像での初視聴だったんですが、トリックは分かっていても原作読んでみたくなりましたよマジで。
いやむしろ、原作読んでから観たほうがいいのかな?
映像化不可能といわれていた意味は、たぶんあそこのシーンと予想はできるのですが、原作の文字で演出されたトリックを映像でどこまで表現できるかってことにあると思うのです。
読み手をどこまで騙せるのか、
視聴者をどこまで騙せるのか、
きっと原作を読まれた方も、配信された映像を観られた方も思わず『えっ!マジかよ!』って声出ると思うんです。笑。
いやむしろそんな感じじゃなくて、もっとテンション爆上げでしたよ。
『えぇーーーっっ!!!???ウソだろ!!!???マジかよっっーーー!!!!!?????』って。笑。
最初は1人で見たのですが、後日奥さんと観た時も同じようなリアクションしてくれて嬉しくなりました。笑。
こんな面白いトリックの作品は久しぶりだったので、しばらくドキドキが収まりません。
犯人らしき人物がわかるあのシーン、マジで最高必聴です。
よくあんなアイディア思いついたなーって感謝しかありませんもの。笑。
Huluと契約しないと観れないのが残念ですが、まだご覧になってない方には是非観ていただきたい作品です。

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