新年度だからカミングアウトします。世界は常に優しさで溢れている。

およそ5年前の今日、それまで個人事業主として営んできた仕事を法人成りしました。

十代の頃からずっと同じ仕事をしていたもので、ひとつの夢であった「代表取締役」という任に就き、ホッとしたことを憶えています。

それまで支えてくれた9名のスタッフ、協力会社の皆様、そして家族のおかげで叶えられた夢と感謝しています。

今にして思うと、会社を大きくしよう、新しいことをはじめようと躍起になっていた僕は、スタッフとの温度差にも気づかずひとり空回りしていたように感じます。

結局会社は、3期目を迎える前に倒産しました。

新年度だからカミングアウトします。

会社の負債は代表である僕らの生活を圧迫し、ついには身動きできない状態にまで追い込まれました。

「人生詰んだ…」本気でそう思った僕は、家族を残したまま人生を終わらせようと覚悟しました。

いわゆる「逃げ」です。

周りにいる人間を巻き込むことさえにも配慮できず、ただ自分が楽になりたいがためにそう考えました。

それまでの僕は「男とはこうあるべきだ」という呪いにかかっていて、弱音や泣き言は恥ずかしいこと、ひとり強がり、すべてを背負い過ぎていたんだとということに、当時妻に打ち明けた時にはじめて気づきました。

どうせ逃げるなら【しっかりと向き合ってから逃げ道を探してみよう。】そう思い直しました。

それでも人に迷惑をかけることに変わりありません。

趣味で集めたフィギュアやブランドの服、カメラやパソコンなどの家電、数百の本や雑誌など、売れるものはすべて売りました。子どもたちが生まれる前からひとりで住んでいた東京の自宅や、会社やプライベートの車もすべて売却しました。

しかし、努力の甲斐なく払いきれない会社の負債は「自己破産」という形で精算しました。

僕はこんなに往生際の悪い人間ではないはずなのに、現実の問題にしっかり向き合い、恥ずかしい思いを気にせず、周りに迷惑をかけながら、「逃げながら生きる」ことを選びました。

「お金」という、人の器量を測るには最悪の尺度に翻弄されながら。

世界は常に、優しさで溢れている

プライドを捨てて人に頭を下げ、罪悪感と自己否定と無力感と戦いながら生き延びました。

支えてくれた人たち、家族、信念みたいなものだけでなんとかやってこれました。

仕事に関しては過去のスタッフとは袂を分かち、昔から可愛がっていただいている元請けさんに取引を継続させていただいています。本当に有難いことでございます。

一度足を踏み外した僕に声をかけてくださり、僕個人を信頼してくれたのだと思っています。

僕はいまが一番のびのびと仕事ができていると思うし、煩わしさもなく楽しく、毎月ささやかながら稼がせていただいています。

一人になってしまったけれど、後悔は一つもありません。あの時の失敗を忘れず、でも過去に縛られることなく「今」を常に考え未来にバトンを繋げたいと考えています。

人は、生きていればなんだって出来ます。

苦難のない人間はなかなかいないと思いますけれど、生きてさえいればいいんだと思います。

逃げてもいいし、ちゃんと向き合ってさえいれば何とかなるんです。時にプライドを捨てて人に頼ればいいんです。人に助けてもらっていいんです。

いつでもゼロからスタートし直せばいいんです。

大丈夫、人生は面白いんです。

世界は常に、優しいんです。

マツオユキは思う。

マツオ ユキ
いつもポジティブでいる必要はないけれど、モノの見方を少し変えてやるだけで世界はいくらでも変わるのだ。


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